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<審査員初体験>@ロシアの日本語弁論大会


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先日ロシアのハバロフスクで行われた「日本語弁論大会」
日本語を学ぶ現地の学生たちが、日頃の勉強の成果を発揮する場です。

優勝者は首都モスクワで行われるロシア大会への参加権が得られ、
さらに全ロシアから集まったその大会の優勝者はなんと日本に招待されるとのこと!

 

今回そんな大会で審査員を勤めさせていただきました。
とても光栄なことです。

こういう大会は出る専門(笑)だったので、審査員席は初めて座りました♪

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会場に入ると学生さんたちの緊張がとても伝わってきました。
第1部は暗唱の部。第2部がスピーチの部。

ふいに昔、自分がこのような壇上に上がった記憶が鮮明によみがえります。
緊張して言葉につまってる子を見るたびに、「頑張れ、頑張れ」と心の中でエールを送り続けてました。

分かる!分かるよ!
あれだけ必死に練習し、完璧に暗唱したはずなのに、客席から一点に集まる、目・目・目に一瞬で頭が真っ白になるその気持ち。膝は震え、声は上ずりそうになり、全身の毛穴という毛穴から汗が吹き出しそうなその感覚。

 

それでも、どの学生さんも必死でその気持ちを克服し、一生懸命に練習の成果を発表していて感銘を受けました。その「懸命さ」に「点数」をつけるというのはこんなにも難しいことなのかと実感。
世の中の全ての審査員の方を尊敬します☆彡

一番記憶に残った「暗唱の部」の谷川俊太郎さんの「生きる」という作品。
有名な詩ですので、私も昔聞いたことがありますが、
久しぶりに聞いてるうちに先日の熊本地震のことを思い出して、
思わず目が潤んできました。

多くの方と共有したくて、ここに引用させて頂きます。
「生きている」ということの意味を、改めて一緒に感じていければ幸いです。
 
谷川俊太郎 「生きる」

生きているということ
いま 生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま 生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま 生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま 生きているということ
いま 遠くで犬が吠えるということ
いま 地球が廻っているということ
いま どこかで産声があがるということ
いま どこかで兵士が傷つくということ
いま ぶらんこがゆれているということ
いま いまが過ぎていくこと

生きているということ
いま 生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ

 

若い大学生の男の子が一生懸命に読み上げていました。
長いし、難しい日本語もいっぱいで苦労したことでしょう。

決してスラスラではない。
でも懸命に、何かを訴えかけようと頑張ってる姿は、とても印象的でした。


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